アメリカの選挙 8
このような脈絡の中で考えると、92年1月に延期されていたブッシュ大統領の日本訪問は、いわゆる「日本問題」が大統領選挙運動との絡みで、初めて重要な争点として表面化したものであったといっていいでしょう。
『ニューズウィーク』誌の指摘にもあるように、戦時を除けば、「対日政策」が大統領選挙の行方を左右したことは1度もありませんでした。
91年11月、いったん延期して波紋を投じた訪日を、日本の"松の内"の1月7日に決定したのは、ブッシュ大統領が病めるアメリカ経済の立て直しについて、早急に日本の協力を取りつけ、それをバネにして再選のための浮揚策とする狙いがあったからです。
こうしてブッシュ大統領は、92年1月7日から10日まで、アジア・太平洋諸国歴訪の最後の国として日本を訪問しました。
この訪日は、「販売促進と募金の旅」とやゆされたように、アメリカ経済の低迷によりブッシュ自身に対する支持率低下を回復せんがためのものでした。
ブッシュ大統領はこの訪日を、アメリカの労働者のための「雇用創出の旅」と位置づけていました。
しかし、それはブッシュ自身への国民の支持を高めるために、アメリカ国内の政治的状況を意識するあまり、目先の成果にこだわりすぎたからです。